電車
江ノ電 稲村ヶ崎駅
駅から岬の公園まで徒歩約5分。 駅を出て線路沿いに西へ進み、国道134号を渡ります。海が見えたらすぐそこです。
- 鎌倉駅から
- 江ノ電で約10〜11分/220円
- 藤沢駅から
- 江ノ電で約22分/310円
- 江ノ島駅から
- 江ノ電で約9分
- 東京駅から
- JR横須賀線で鎌倉へ約1時間、乗換えて約10分
※運賃・所要時間は目安です。江ノ電は単線で行き違いに時間がかかることがあり、 観光期の日中はホームに入るまで待つこともあります。

神奈川県鎌倉市 ── 相模湾
由比ヶ浜と七里ヶ浜を分けて海へ張り出す、鎌倉のはずれの岬。
晴れた日には江の島の左奥に富士が浮かび、日が落ちるころ、 相模湾は端から端まで金色になります。
About the cape
鎌倉の市街を抜けて江ノ電で西へ十分ほど。由比ヶ浜と七里ヶ浜、二つの海岸のあいだに割って入るように、緑をのせた岩の塊が相模湾へせり出しています。これが稲村ヶ崎です。高さはわずかなものですが、海に向かってひな壇状に開けているため、視界をさえぎるものがほとんどありません。
正面には相模湾がひらけ、右手に江の島、その左奥に富士山。空気の澄んだ日には伊豆半島から大島までが水平線に並びます。 「かながわの景勝50選」「関東の富士見百景」に選ばれているのは、この一枚の風景がまるごと収まるからです。
岬そのものは、鎌倉市の都市公園「鎌倉海浜公園 稲村ガ崎地区」(面積約2.1ha)として整備されています。 松の立つ芝生広場と展望台があり、入園料はかからず、時間の制限もありません。 公園内には、明治43年(1910年)に沖で起きた逗子開成中学校ボート部の遭難事故を悼む慰霊碑と、 結核菌・コレラ菌の発見で知られる医師ローベルト・コッホの記念碑が並んで立っています。
そして足元の岩には、もうひとつの顔があります。昭和9年(1934年)、 この岬は「稲村ヶ崎(新田義貞徒渉伝説地)」として国の史跡に指定されました。 景色を見にきた人が、いつのまにか七百年前の話に足をとられる。それがこの場所の面白さです。



Legend & history
元弘3年/正慶2年(1333年)、鎌倉幕府を攻めた新田義貞は、切り立つ崖と波に阻まれてこの岬を越えられずにいました。『太平記』はその夜のことをこう伝えます──義貞は稲村ヶ崎の波打ち際に下り、黄金の太刀を海へ投じて龍神に祈った。すると潮は大きく引き、干潟となった岸を軍勢が駆け抜け、鎌倉は落ちた。


奈良時代
『万葉集』には、この一帯が「見越しの崎」の名で詠まれています。良質の砂鉄が採れる浜として知られ、古代にはここで製鉄が行われていたとも考えられています。
1333年
鎌倉攻めの折、義貞が太刀を投じて龍神に祈ると潮が引いたと『太平記』は記します。史実としては干潮の時機を捉えた進軍と見る説が有力で、天文計算からは日付の記述に誤りがあることも指摘されています。それでも、太刀と潮の物語はこの岬の名とともに語り継がれてきました。
江戸〜明治
太刀を海へ投じる場面は絵になる主題として好まれ、歌川広重や月岡芳年をはじめ多くの絵師が繰り返し描きました。左に並べた二枚もそのうちの作です。岬の名は、風景としてよりも先に、この一場面として広まっていきました。
幕末
相模湾を一望できる地形は軍事的にも要となり、幕末には異国船を監視する台場が置かれました。第二次世界大戦中には、岬の岩に地下基地が掘られています。突端の崖に残る横穴は、その時代の痕跡と伝わります。
1910年
逗子開成中学校の生徒ら12名を乗せたボートが沖で転覆し、全員が亡くなりました。追悼のために作られた歌「真白き富士の根」は広く歌われ、公園には遭難者を悼む慰霊碑が今も立っています。
1934年
「稲村ヶ崎(新田義貞徒渉伝説地)」として国の史跡に指定。景勝地であると同時に、日本史の一場面が刻まれた土地として保存されることになりました。
1990年
この岬の名を冠した映画が公開され、湘南のサーフカルチャーを象徴する地名として広く知られるようになりました。岬の両側は今もサーフィンの名所です。
Photographs
夕景、富士、波、江ノ電。同じ岬とは思えないほど、時刻と季節で表情が変わります。
写真をタップすると拡大表示します。掲載写真はすべてウィキメディア・コモンズで公開されている実写で、 撮影者と利用条件はページ末尾のクレジットにまとめています。
Best time & duration
この岬でいちばん大事なのは、行く時刻です。同じ場所に立っても、昼と日没前とではまったく別の風景になります。
日没の40分前〜30分後
太陽が水平線に近づくと海全体が金色に変わり、沈んだあとの20〜30分は空が紫から茜へ移ります。日没時刻は季節で大きく動くので、訪問日の日の入りを調べてから逆算してください。
早朝(日の出〜7時ごろ)
人が少なく、風もおだやかな時間帯。冬の朝は富士山がくっきり見えることが多く、海に向かうサーファーの姿も絵になります。
11月〜3月
空気が乾いて澄む季節。北風の吹いた翌日はとくに遠望がききます。逆に夏は湿気で霞み、富士が見える日は限られます。
6月中旬
園内のあじさいが見ごろを迎えます。鎌倉の寺々が混み合う時期でもあるので、海側に抜けて息をつくにはちょうどいい場所です。

Access
最寄りは江ノ島電鉄の稲村ヶ崎駅。改札を出て海へ向かって下れば、五分ほどで岬の入口に着きます。
電車
駅から岬の公園まで徒歩約5分。 駅を出て線路沿いに西へ進み、国道134号を渡ります。海が見えたらすぐそこです。
※運賃・所要時間は目安です。江ノ電は単線で行き違いに時間がかかることがあり、 観光期の日中はホームに入るまで待つこともあります。
バス・徒歩
国道134号を走る路線バスが海岸沿いに通っており、稲村ヶ崎周辺にも停留所があります。 江ノ電が混み合う時期は、バスのほうが座れることもあります。
車
岬は国道134号に面しており、湘南の海岸線をそのまま走ってたどり着けます。 ただし週末・連休・夏季は134号自体が渋滞し、駐車場も早い時間に埋まります。とくに夕景の時間帯は電車のほうが確実です。
※料金・条件は変更されることがあります。最新の内容は神奈川県道路公社の案内をご確認ください。
西へ進めば七里ヶ浜海岸駐車場、東へ戻れば坂ノ下駐車場があります。 稲村が崎駐車場が満車のときは、そちらから歩くという手も。
週末の昼前後と、日没1時間前から。海水浴シーズンや連休は 特別料金が設定され、最大料金が適用されない場合があります。

岬に立つこと自体には、一円もかかりません。費用が発生するのは、たどり着くための交通と駐車だけです。
| 項目 | 料金 | 備考 |
|---|---|---|
| 入園料・拝観料 | 無料 | 稲村ヶ崎公園(鎌倉海浜公園 稲村ガ崎地区)。24時間・年中無休 |
| 展望広場 | 無料 | 予約や受付は不要 |
| 江ノ電(鎌倉駅から) | 220円 | 片道。稲村ヶ崎駅まで約10〜11分 |
| 江ノ電(藤沢駅から) | 310円 | 片道。約22分 |
| 江ノ電1日乗車券「のりおりくん」 | 有料 | 沿線を何度も乗り降りするなら割安。金額は江ノ電の案内を参照 |
| 稲村が崎駐車場 | 400〜500円/時 | 7〜8月は500円/時。最大料金は6時間 1,500〜2,000円 |
※運賃・駐車料金は改定されることがあります。訪問前に各事業者の公式情報をご確認ください。
Food & neighbourhood
稲村ヶ崎は、それだけで半日を使う場所ではありません。江ノ電で数駅、あるいは海沿いを歩いて数十分の範囲に、寄り道の材料がそろっています。
公園のなかに売店やカフェはありません。食事は駅の周辺か、国道134号沿い、 隣の七里ヶ浜側で。海を見ながら食べられる店が多いのがこの一帯の贅沢です。
干物定食・和朝食
稲村ヶ崎駅から徒歩約3分
大正期の古民家を使った食堂。名物は自家系列の干物店から届く干物の定食で、朝7時から食べられます。窓のすぐ外を江ノ電が通り、待つ時間まで景色になります。
鎌倉市稲村ガ崎1-12-16/7:00〜18:00(L.O.17:00)/火曜休
カフェ
稲村ヶ崎駅すぐ
線路際に建つ小さなカフェ。窓辺の席からは行き交う江ノ電が眺められます。散策の前後にひと息つくのにちょうどよい距離感です。
洋菓子・焼き菓子
稲村ヶ崎の丘の上
住宅地の坂を上がった先にある小さな菓子店。焼き菓子を買って、公園のベンチで海を見ながら開けるのが気持ちのいい使い方です。
オールデイダイニング
七里ヶ浜駅から徒歩約1分
海に面した商業施設 WEEKEND HOUSE ALLEY の2階。リコッタパンケーキで知られ、テラスからは七里ヶ浜の水平線が広がります。混雑期は待ち時間が長くなりがちです。
鎌倉市七里ガ浜1-1-1(WEEKEND HOUSE ALLEY 2F)
カレー・洋食
七里ヶ浜(国道134号沿い)
1972年創業の鎌倉カレーの老舗系列で、海を向いたテラス席が名物。夕景の時間帯は稲村ヶ崎とセットで回りやすい立地です。
シーサイド各種
稲村ヶ崎〜七里ヶ浜
岬から七里ヶ浜方面へ歩くと、海を向いた食堂やベーカリー、テイクアウトの店が続きます。営業時間は季節や天候で変わることが多いので、訪問前に各店の最新情報を確認してください。
※営業時間・定休日は季節や天候で変わることがあります。訪問前に各店の最新情報をご確認ください。
稲村ヶ崎と江の島のあいだに約2.9km続く砂浜。振り返ると岬の断崖、正面には江の島と富士山という、湘南を代表する眺めが並びます。
稲村ヶ崎の東どなり、極楽寺坂の谷あいにある古刹。茅葺きの山門と、参道の階段から海が覗く成就院は、岬の眺望とは対照的な静けさです。
境内のすぐ脇を江ノ電が横切る神社。鳥居と踏切が並ぶ光景が知られています。
海側の鎌倉を代表する二大名所。稲村ヶ崎から江ノ電で10分足らずで、午前に寺社、夕方に岬という組み立てがしやすい距離です。
線路の向こうに海と江の島が広がる踏切。人気の撮影地ですが生活道路でもあるため、通行や近隣への配慮が必要です。
稲村ヶ崎から西に望むあの島へ、そのまま渡れます。夕景を岬で見て、翌日に島へというコース取りも定番です。
稲村ヶ崎が分ける二つの海岸のうち東側。遠浅でおだやかな砂浜が鎌倉の中心部まで続きます。


Make a keepsake
岬で撮った一枚を、この土地の色で仕立てます。かたちと意匠を選び、銘を入れて保存するだけ。写真もことばも、あなたの端末から出ることはありません。
写真を選ぶと、ここに記念カードが表示されます
一、写真をえらぶ
四、銘を入れる
写真はあなたの端末にだけ保存されます。選んだ画像も入力した文字も、合成したカードも、サーバーへは送信されません。すべてブラウザの中だけで処理しています。
Questions
訪れる前に迷いやすいところをまとめました。
無料です。岬一帯は鎌倉市の都市公園「鎌倉海浜公園 稲村ガ崎地区」として整備されており、入園料・拝観料はかかりません。原則として年中無休、24時間出入りできます。
空気の澄む晩秋から早春(おおむね11月〜3月)が中心で、とくに北風の強く吹いた翌日の朝夕は見えやすくなります。夏場は湿度が高く霞むため、見える日はぐっと減ります。江の島の左奥に、遠く小さく浮かぶ形で見えるのが稲村ヶ崎からの富士山です。
相模湾のほぼ正面、江の島の右手(西〜北西寄り)に沈みます。季節によって日没方位も時刻も動くので、訪れる日の日没時刻を調べ、その40分ほど前に着いておくのがおすすめです。日が沈んだ後の20〜30分(トワイライト)に空が最も色づくため、日没=終わりと考えずに残っていた方が良い眺めに出会えます。
展望広場からの眺めだけなら20〜30分。石碑やコッホ碑、慰霊碑を見て海辺まで下りるなら45〜60分。夕景を狙うなら、日没前後で1時間〜1時間半を見ておくと落ち着いて過ごせます。
岬の西側に神奈川県道路公社の「稲村が崎駐車場」(普通車51台、うち身障者用1台)があり、24時間営業です。台数が少なく、休日や夕方は満車になりやすいので、電車での来訪が確実です。
江ノ島電鉄(江ノ電)の稲村ヶ崎駅が最寄りで、駅から岬の公園まで徒歩約5分です。鎌倉駅からは約10〜11分、藤沢駅からは約22分ほどで着きます。
岬の両側は砂浜・岩礁の海岸で、波打ち際まで下りられます。ただし稲村ヶ崎は海水浴場ではなく、監視員のいる遊泳場所ではありません。岩場は滑りやすく、高波の日は打ち上げられる波にも注意が必要です。
公園内にトイレと自動販売機があります。売店やカフェは公園内ではなく、稲村ヶ崎駅の周辺や国道134号沿い、隣の七里ヶ浜側に点在しています。
晴天ほどの遠望は望めませんが、雲の切れ間から光が差す夕方や、荒れた日の波は稲村ヶ崎らしい表情です。展望広場には屋根がないため、風雨の強い日は無理をせず、江ノ電の車窓から海を眺める行程に切り替えるのが賢明です。
公園は海に向かってひな壇状に高低差があり、上段の展望広場へは階段を使う経路が中心です。駐車場側や国道沿いからは平坦にアクセスできる部分もありますが、園内すべてを段差なしで回ることはできません。身障者用の駐車区画は駐車場に1台分あります。